設立趣旨

森に帰ろう

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産業革命以降、森に象徴される自然と切り離された生活が圧倒的なスピードで進みました。その結果はどうでしょう。地球は私たちの活動のスピードに耐えきれず、温暖化という形でメッセージを発信しています。「森に帰りなさい」と。私たちの肉体と精神も自らが生み出した化学物質や人工的な空間に耐えきれず、病という形でメッセージを発信しています。「森に帰ろう」と。


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私たちの体は遺伝子レベルで森との生活を記憶しています。頭では森や木の肌触りが嫌だと思っていても、体は、森や木と同調しています。人が人らしく健康的に暮らすには、森とともに暮らすのがいい。森で過ごす時間が長ければ長いほどいい。森を歩き、野草や果実を摘み、狩りをし、食べ、寝る。そうやって人類は暮らしてきました。現代の生活はあまりにも森と切り離されています。不健康になるのも当然でしょう。そして私たちの不健康は、地球全体の不健康の生き写しです。森、生態系と切り離された現代人の生活を、森へ、生態系へと回帰させ「森の生活」を取り戻すことが、人間の健康にとっても地球の健康にとっても一番の解決法だと思うのです。

山村社会の再生

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しかし、「森の生活」に一番近い山村は崩壊の危機を迎えています。同時に山村が引き継いできた「森の生活」を営む知恵も失われようとしています。一度失われたものを取り戻すことほど困難なことはありません。「森の生活」を取り戻すために何が一番必要か。私たちは自問自答を繰り返し、試行錯誤を繰り返しました。その結果、山村に軸足をおいた経済活動を通じて森と人とのつながりを回復させ、「森の生活」の舞台となる山村社会と自然環境を持続可能な形で次の世代へ引き継ごうと決心しました。


持続可能な社会に向けて

「経済は友愛」という言葉があります。経済活動とは人間同士がよりよい人生を生きるための支え合いであり、そうした支え合いの連なりが社会を形成してきたはずです。お金はその媒体に過ぎません。お金ではなく支え合いを目的とする経済活動の主体として、継続的かつ責任ある行動を約束するため、私たちはNPO法人森の生活という人格を誕生させます。


そして、お金に動機づけられるのではなく、支え合いに動機づけられて経済活動を行うということは、この活動の参加者一人一人が他者の統制に従う働き方ではなく、内発的な動機づけに基づく働き方を確立することに他なりません。それは利己主義・エゴイズムとは一線を画す他者との協働を前提とした個人主義です。自律した個人がいて初めて対等な立場での民主的な対話が行われ、協働へと発展するのではないでしょうか。自律した個人が織りなす協働のコミュニティが各地の自然環境に根ざして群発し、各コミュニティが自律しながらも世界規模の「森の生活」ネットワークを形成するとき、私たちの最終目標である、地球にとっても人間にとっても健康で持続可能な社会が訪れていることでしょう。


そんな夢を胸に抱き、まずは都市で生活する人々に心身を癒す場、環境を学ぶ場を提供していくことで、小さな一歩を踏み出したいと思います。

設立経緯

さーくる森人類

1997年秋、後にNPO法人森の生活の母体となる「さーくる森人類」が発足しました。下川町森林組合へIターン、Uターンした人々を始めとする移住者の多いサークルです。


以来、法人格こそ取得しませんでしたがNPOの精神のもと森づくりや森林・林業体験事業などを幅広く実践してきました。活動の拠点となった町有林「下川町五味温泉体験の森」の管理運営について下川町長とパートナーシップ協定を締結し町民や都市住民の参加を得ながら活動を行ってきた結果、北海道知事から感謝状をいただいたり、「わが村を美しく北海道」運動の交流部門で銅賞をいただくなど森林交流のパイオニアとしての評価を一定程度確立しました。

森の生活のはじまり

しかし、メンバーは日中生計を立てるための仕事をしながら片手間での活動。日々高まる評価と期待にこれ以上このままのスタイルでは応えられないという結論に達しました。また、移住者は依然として毎年加わる一方で下川を去る仲間を数多く見送ってきました。その理由の一つには自分の思い描く職がないことがあります。

この2つの問題点を解決するためには、私たちが培ってきた森林交流事業を経済活動として発展させ、その活動の中で参加する一人一人が自らの思い描く職を開拓していくことが一番だと思いました。


同時に、2002年から下川産業クラスター研究会の「自然療法プロジェクト」が研究してきた森林療法を始めとする自然療法が、健康と癒しを求める時代の流れと合流し、事業としての可能性を示し始めました。


こうした経緯から「さーくる森人類」を母体としながらも発展的に解消し、「自然療法プロジェクト」で研究してきた健康と癒しの事業を柱の1つとして据え、健康で持続可能なライフスタイルの創造と提案を行う非営利の経済活動の主体としてNPO法人「森の生活」の設立を発起するに至りました。